「一期一会」を愉しむ。手仕事の器が持つ、世界にひとつの表情。
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手仕事への想い
私たちの器は、機械による大量生産ではありません。職人が土に触れ、火の力を借りてひとつずつ形作っています。そのため、お届けする器には「個体差」が生まれます。
具体的にどのような違いがあるのか
■志野の場合

2つのロットが混ざった志野小皿です。
梅花皮の違い、赤みの違いがあることがわかるかと思います。
同じロットでも窯のどこに置かれ、焼かれたのかにもよって大きな違いが生まれます。
■織部の場合

織部の緑釉は、焼成中に流れやすい釉薬です。
お碗の形の場合、口縁部分に釉薬を塗布し、あえて流れる状況を作り出すことが多いため、写真のように一つ一つ表情が違うものが生まれます。
ロットが同じでも、一つ一つが違う場合がほとんどです。
■黄瀬戸の場合

上の写真は2つのロットが混ざっています。
還元状態での焼成は、窯の中が安定しにくいため、ロット毎の表情がかなり異なる場合があります。
また、同じロットでも、微妙な釉薬の厚みの違いにより、大きく表情を変えます。

また、湯呑などのような形状の場合、黄瀬戸の釉薬はやや流れやすい傾向があるため、流れた釉薬が器の表情をどんどん変えていきます。
■灰釉の場合

松灰を用いた灰釉の湯呑は、天然灰ということもあり、原料が安定していません。
ロット毎はもちろん、同じロット内でも表情がかなり変わってしまいます。
また、施釉時の釉薬の厚みに対してデリケートな反応を示します。やや厚めに釉薬が塗布された部分はピンク~紫色を呈します。
一方、薄めに塗布された場合は茶褐色を呈し、焼け焦げたような表情になります。

灰釉湯呑を上から見た写真です。底の部分に釉薬が溜まりピンク~紫色を呈していますが、個体によってその呈し方は大きく違います。
■粉引の場合

上の写真は1つのロットで出てきた粉引のお皿です。
全体が白っぽいものと、半分がややグレーがかったもの、2種類を見て取れるかと思います。
透明釉の下に化粧土を掛けるのですが、焼成中に透明釉が化粧土を溶かしてしまう場合があります。これは化粧土の厚みが厚いか薄いかによるものですが、非常にデリケートな反応を示すため、焼成後までどのような表情になるかわかりません。また、「窯のどこ場所で焼かれたのか」によっても表情を変えるため、大きな違いを生みます。
それとは別に、粉引の場合、土に含まれた鉄粉が焼成中に呈色し、黒い点がランダムに出てきます。
唯一無二の器
私たちは、この「違い」こそが陶器の醍醐味だと考えています。
均一で完璧なものよりも、少しのゆらぎがあるもの。それは、「世界に二つとない、あなただけの一点物」であるということです。どの表情の器が手元に届くか、その偶然の出会いも含めて「一期一会」の縁として愉しんでいただければ幸いです。
最後に
お手元に届いた器は、これからあなたの食卓で使われることで、さらに味わいを増して「育って」いきます。どうぞ、あなただけの相棒として、末長く可愛がってあげてください。